2009 Fiscal Year Annual Research Report
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20791232
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
伊田 みちる 中部大学, 生命健康科学研究所, 助教 (80393148)
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Keywords | 内耳 / メラノサイト / 中間細胞 / 遺伝子改変マウス / 先天性難聴 |
Research Abstract |
本研究の目的は、内耳メラノサイトの聴力制御機構を明らかにすることである。本年度は、以下の解析を行った。 <内耳メラノサイト機能不全による先天性難聴マウスの遺伝子改変による機能回復> エンドセリン受容体B欠損マウス(Ednrb(-/-))は、色素異常・難聴を発症することが知られているが、そのメカニズムは明らかになっていない。聴性脳幹反応(ABR)により、難聴を発症していることを確認した。組織学的解析により、内耳血管条のメラノサイト(中間細胞)が欠損していた。さらに、聴覚伝達に重要であるらせん神経節細胞の数が減少していた。そこで、神経特異的に発現するDopamine β-hydroxylaseのプロモーター下でEdnrbを発現するトランスジェニックマウス(DBH-Ednrb)と掛け合わせたマウスを作製した(Ednrb(-/-);DBH-Ednrb)。ABRを行い、聴力の部分的な回復が見られた。組織学的解析により、らせん神経節の細胞数は野生型と同等であったが、メラノサイトは欠損していた。よって、内耳メラノサイトの欠損でらせん神経節の細胞変性が生じた難聴は、らせん神経節の細胞変性を回復させることで一部回復が見込めることが示された。他の内耳メラノサイト欠損難聴マウス(Wv/Wv)についてもらせん神経節の細胞数減少が見られたことから、内耳メラノサイト欠損難聴マウスは同じメカニズムでの機能回復が見込まれる。
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