2009 Fiscal Year Annual Research Report
急性内耳エネルギー不全に対する前庭への骨髄間葉系幹細胞移植
Project/Area Number |
20791238
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
水足 邦雄 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 聴覚障害研究室, 研究員 (40338140)
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Keywords | 3-nitropropionic acid / 平衡障害 / 骨髄間葉系幹細胞 / 細胞移植 / 前庭有毛細胞 |
Research Abstract |
従来我々の施設で使用している3-nitropropionic acid(3-NP)を用いた急性内耳エネルギー不全モデルラットを用いた。これまでの報告通り(Mizutari et al. J Neurosci Res, 2007, Hoya et al. Neuroreport, 2004)S-Dラットに対して全身麻酔下に500mMの3-NPを3μl内耳正円窓に局所投与する。術後、自発眼振が消失し平衡機能障害が生じたことを確認し、術後1週間目に氷水を用いたカロリックテストにて眼振の誘発がなく末梢平衡機能が廃絶したことを確認した。さらに、手術後1週間で全身麻酔下に内耳を摘出し、組織標本を作製したところ、球形嚢・卵形嚢・半規管膨大部のいずれの部位においても、高度の有毛細胞脱落が生じることが確認され、細胞移植動物モデルとして極めて適した性質を持っていることが確認できた。 その後、骨髄間葉系幹細胞細胞を外側半規管より行った移植に先立ち外側半規管からの人工リンパ液の潅流において特に平衡・聴覚障害を認めず、本方法が内耳に対して低侵襲であることが確認された。移植により、内耳外リンパ腔内へ広範な移植細胞の生着を認めたが、内リンパ腔への移植細胞の移行はごく少数しか認められなかった。細胞移植後の平衡機能検査では、氷水を用いたカロリックテストにて術後も眼振の誘発がなく、現時点で明らかな機能回復を認めることはできなかった。今後、さらに投与法や移植細胞の種類を検討する必要があると思われた。
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