2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791239
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
藤巻 葉子 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 人工臓器・機器開発研究部, 研究員 (80462894)
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Keywords | 頭頸部腫瘍 / 放射線治療 / 口腔乾燥症 / 口腔水分計 |
Research Abstract |
頭頸部腫瘍に対する放射線治療後には、唾液腺の炎症、萎縮により、口腔乾燥症が起こり、患者のQOLを著しく低下させる。これを他覚的に評価する研究は乏しく、以下の臨床研究を行っている。 #研究目的 放射線治療後の口腔乾燥に対する他覚的に評価 #対象 東京大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・放射線科通院中・及び入院中の頭頸部腫瘍と診断され、放射線治療を施行予定及び施行後の20歳以上の患者(特に大唾液腺が照射部位に含まれる口腔癌、咽喉頭癌症例) #方法 以下の検査項目を放射線治療前後の症例に対し施行する。 (1)アンケート、(2)ガムテスト、(3)安静時吐唾法、(4)口腔水分計(MucusIII)による測定以下番号で表示 放射線治療前に計測できた16症例中、途中計測不可となった症例を除いて照射直後の9症例を評価した。男性8人、女性1人、44歳~77歳で平均59.4歳であった。疾患分類は中咽頭癌3人、下咽頭癌3人、原発不明癌頸部リンパ節転移3人、全例で総線量は70Gy、耳下腺平均線量は中咽頭癌:49.6±6.5Gy、下咽頭癌:46.2±2.1Gy、原発不明癌頸部リンパ節転移:44.0±1,0Gyと中咽頭癌で最も高値であった。結果は(1)(2)(3)では照射後に自覚的にも他覚的にも唾液の分泌が低下していることが確認できたが、(4)では照射後の計測値は耳下腺平均線量の多い中咽頭癌で最も低下はしたが、有意差は出なかった。理由としては、照射直後では口腔内の炎症や浮腫が強いため、唾液分泌が低下していても舌の粘膜表皮内の水分はあまり低下していないこと、また、照射により唾液分泌が低下しても少量あれば、舌の粘膜表皮内の水分はある程度保たれ、水分計での計測では軽度低下にとどまるのではないか等、考察した。以上の内容はH21.911、第22回日本口腔咽頭科学会で報告した。
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