2008 Fiscal Year Annual Research Report
人工万能幹細胞を用いた角膜内皮・上皮細胞創生の研究
Project/Area Number |
20791242
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横倉 俊二 Tohoku University, 病院, 助教 (30400378)
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Keywords | iPS細胞 / 幹細胞 / 角膜内皮 / 角膜上皮 |
Research Abstract |
ES細胞から神経堤細胞への分化誘導実験を行っている既報の論文(MotohashiらStem Cells2007.)に基づき、iPS細胞から神経堤細胞への分化誘導が可能か検討を行った。iPS細胞をまず専用の培地(DiM-M培地)を用いて培養し、その途中でATRAを培地中に加えて更に培養し、最終的(ES細胞では培養12日目)に回収した細胞をFACSにかけて、c-kit(神経堤細胞のマーカー)(+)かつCD45(造血系細胞のマーカー)(-)の細胞をソーティングした。この細胞からmRNAを抽出し、Oct4(眼の分化マーカー)・Pax3・Snail・Slug・Sox10(以上、神経堤細胞のマーカー)を用いてreal-time RT-PCRを行ったところ、ソーティングされた細胞が神経堤細胞と同程度にこれらのマーカーを発現しており、神経堤細胞に分化していることが判明した。 一方、既報の論文(HommaらInvest Ophthalmol Vis Sci 2004.)に基づき、iPS細胞から角膜上皮前駆細胞への分化誘導が可能か検討を行った。iPS細胞を培養し、コンフルエントとなった段階でこれをIMDM培地で希釈し、Bacteral-gradeのPetri皿で浮遊培養し、これにより得られた細胞塊(胚様体)を4型コラーゲンコーティングチェンバーに播種し、上皮細胞成長因子(EGF)を含んだKCM培地で培養を行った。一定の期間後細胞を回収し、PAX6(眼の分化マーカー)・p63(上皮前駆細胞のマーカー)・cytoleratin 12(K12、角膜上皮細胞の特異的マーカー)・cytokeratin 14(K14、扁平上皮基底細胞のマーカー)の各プライマーを用いてreal-time RT-PCRを行ったところ、角膜上皮前駆細胞と同程度にこれらのマーカーを発現しており、角膜上皮前駆細胞に分化していることが判明した。
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Research Products
(4 results)