2008 Fiscal Year Annual Research Report
社会の夜型化傾向に着目した加齢黄斑変性発症の新たな分子基盤-動物モデルによる追究
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20791248
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大石 健太郎 Hamamatsu University School of Medicine, 光量子医学研究センター, 助教 (80345826)
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Keywords | 加齢黄斑変性 / 体内時計 / ラット / 網膜光傷害 / アポトーシス |
Research Abstract |
近年、日本を始めとする先進諸国を中心に、社会の夜型化傾向が加速しているため、本来の人間の昼型の生活リズムが崩れていると考えられる。さらに本来、光を浴びない時間帯である夜間に強い光を浴びるとともに、夜間にテレビやコンピュータなどで眼を酷使してしまう人が急増している。夜間における強い光曝露に対してゲノムレベルで順応できていないと考えられるヒトにおいて、崩された体内時計のリズムが網膜疾患とどのように関連するかについて検討することが重要である。ラットは夜間に強めの可視光線を照射することで、視細胞や網膜色素上皮細胞のアポトーシスを伴う網膜光傷害を生ずる。この網膜光傷害モデルを用いて、夜間の光照射が体内時計遺伝子の発現にどのように影響するかについて調べることで、黄斑変性症の発症メカニズムに迫ろうとしている。初年度の研究目的としては、どの体内時計制御に関与する遺伝子の発現が光照射により影響を受けるかについて解析し、トランスジェニック動物を作成するために使う遺伝子を決定することである。現在のところ、視細胞および網膜色素上皮細胞における特異的な変化を調べるために、免疫組織化学染色による検討を中心に行っている。抗体、抗血清の中には、免疫沈殿に用いることのできないものや抗体そのものの絶対量の少ない物もあるため、当研究室でのウサギを用いた抗血清の調製を行わなくてはならない可能性が浮上しており、その準備も同時に進めている。次年度は、導入する遺伝子を早急に最終決定し、遺伝子コンストラクト作成、トランスジェニックラット作成し、網膜に対する光の影響と体内時計との関係を探るためのモデル動物の確立を行う。
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Research Products
(6 results)