2008 Fiscal Year Annual Research Report
PhNRと三次元光干渉断層計を用いた緑内障性障害評価法の確立
Project/Area Number |
20791250
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Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation |
Principal Investigator |
広瀬 文隆 Foundation for Biomedical Research and Innovation, 先端医療センター研究所・視覚再生研究グループ, 客員研究員 (70447952)
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Keywords | 網膜電図 / 緑内障 / 網膜神経節細胞 / 視神経 / 黄斑 |
Research Abstract |
本研究の目的は、緑内障に対してより詳細な疾患理解と新評価法の確立を目指すものである。網膜電図(ERG)のPhotopic negative response(PhNR)を用いて、網膜神経節細胞の機能障害を他覚的に評価する方法を開発する。さらに三次元光干渉断層計(3D-OCT)を用いて、視神経及び黄斑部網膜の構造の変化とPhNRの関連を明らかにする。これらの手法により緑内障性障害を客観的かつ定量的に評価するシステムの開発を目指す。 1. focal ERGにおける記録条件の確立散瞳下で、眼底直視型局所ERG記録装置(興和)を用いて白色背景光(LED)下に白色刺激光(LED)を与えて記録できた。網膜黄斑部を眼底カメラで観察しながら刺激光を与え、反応が明瞭になるまで加算した。刺激光の大きさは、視角5度から15度まで変更しながら、PhNRの最適な記録条件を確立し、以後15度で測定した。 2. 3D-OCTにおける画像解析撮影法は散瞳下で、Aスキャンを1024本から4096本まで変更させながら、眼底の6mm×6mmの範囲をスキャンした。得られた3D-OCTのデータをボリュームレンダリング法により画像化した。これにより任意の断層像及び立体像を得ることができ、視神経乳頭及び黄斑部網膜の解剖学的な関連を生体内で3次元的に解析した。 3. 黄斑局所ERGによる機能と網膜構造の関係緑内障患者30眼を対象として黄斑局所ERGのa波、b波、PhNRを測定した。またOCTを用いて網膜全層厚と網膜内層厚を測定した。a波、b波、PhNRと網膜全層厚と網膜内層厚との相関を評価すると、PhNRと網膜内層厚に有意な正の相関を認めた。この結果から黄斑局所ERGは緑内障患者の神経節細胞の機能を反映していると考えられた。神経節細胞の客観的な機能評価に有効であり、緑内障診療に対する貢献はきわめて大きい。
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Research Products
(2 results)