2009 Fiscal Year Annual Research Report
内因性酸化ストレス応答の分子機構の解析とその調節による網膜変性抑制
Project/Area Number |
20791251
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
谷戸 正樹 Shimane University, 医学部, 講師 (30284037)
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Keywords | 網膜光傷害 / 酸化ストレス / 網膜変性 / 脂質過酸化 / Nrf-2 |
Research Abstract |
種々の内因性及び外因性ストレスに対する生体応答反応は,生体恒常性維持機構の本態と考えられる。本研究は,光(可視光)ストレスに対する網膜・視細胞の応答反応の分子機構を理解することで,将来の網膜疾患治療のための基礎的知見を得ることを目的とする。マウス・ラットへの可視光照射による網膜光傷害モデルは,視細胞・網膜色素上皮細胞の選択的脱落を来たし,加齢黄斑変性,網膜色素変性といった視細胞の変性・脱落を伴う疾患の病態モデルである。我々は,以前,明環境(400ルクス)で飼育したラット・マウスは,網膜光傷害(3000ルクス,24時間)に対し抵抗性獲得すること,また,副腎摘出したマウスは,網膜光傷害に対し抵抗性獲得することを報告した。昨年度は,明環境と暗環境で飼育したラット網膜について,プロテオミクスの手法を用いた,発現蛋白の解析を行った。いくつかの特定の機能を有した蛋白質群が,網膜保護に関与していることを示唆する実験結果が得られた。本年度は,可視光及び紫外光の分光光照射実験を行い,各光波長による網膜傷害の定量化に成功した。ラットにおける光傷害の光線スペクトラムが明らかとなった。遺伝操作マウスと脂肪酸調整食餌の組み合わせにより,網膜内の脂肪酸組成を人工的の改変することに成功した。網膜内の脂肪酸組成の違いにより,光による網膜傷害の感受性が調節されることを明らかとした。
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Research Products
(2 results)