2009 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーマイクロダイセクションを用いた網膜内発現タンパク質の局在及び定量解析
Project/Area Number |
20791252
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
海津 幸子 Shimane University, 医学部, 助教 (00325052)
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Keywords | レーザーマイクロダイセクション / 網膜光障害 / 酸化ストレス / 抗酸化酵素 / プロテオミクス |
Research Abstract |
これまで,網膜研究で層単位,或いは細胞単位でタンパク質の局在と同時に発現を定量化することは困難であったため,網膜内で生じる様々な生体反応を細胞単位でより詳細且つ正確に捉える事はできなかった。この問題を解決するために,本研究ではレーザーマイクロダイセクションという手技を用いて特定タンパク質の網膜内発現部位(局在)を特定すると同時に,発現が特定された細胞或いは層を切り出してWestern blotやRT-PCR等の定量化を試みた。 Sprague-Dawley1系ラット(♂,8週齢)の眼球より厚さ約20μmの凍結切片を作成した。抗酸化酵素であるManganase Superoxide Disumutase, Copper-Zinc Superoxide Dismutase, Glutathione Peroxidaseに対する抗体を用い、酵素抗体法により染色を行った。網膜層を色素上皮層,視細胞外節~外網状層,内顆粒層~内網状層,ガングリオン細胞層~神経線維層に分け,各々陽性反応が見られた部位をレーザーマイクロダイセクション法により切り出した。前年度に一定量のタンパク質を回収する事が困難でWestern Blotを行えなかった事から、本年度はRNAを抽出し、RT-PCRによる定量に重点を置いて実験を行った。RNAの抽出は可能であったが、量にバラツキがあり、安定した結果が得られなかった。これはRNAの抽出方法はもとより、凍結切片からの切り出し方法、更には組織の保存・凍結方法にも改善の余地があると思われた。今後はより効率的かつ安定した抽出法と層の切り出し法の確立が必要である。
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