2010 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーマイクロダイセクションを用いた網膜内発現タンパク質の局在及び定量解析
Project/Area Number |
20791252
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
海津 幸子 島根大学, 医学部, 助教 (00325052)
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Keywords | レーザーマイクロダイセクション / 網膜光障害 / 酸化ストレス / 抗酸化酵素 / プロテオミクス |
Research Abstract |
これまで,網膜研究で層単位,或いは細胞単位でタンパク質の局在と同時に発現を定量化することは困難であったため,網膜内で生じる様々な生体反応を細胞単位でより詳細且つ正確に捉える事はできなかった。この問題を解決するために,本研究ではレーザーマイクロダイセクションという手技を用いて特定タンパク質の網膜内発現部位(局在)を特定すると同時に,発現が特定された細胞或いは層を切り出してWestern blotやRT-PCR等の定量化を試みた。 Sprague-Dawle1系ラット(♂,8週齢)に3,000ルクスの白色光を24時間照射した後、眼球を摘出して凍結切片を作成した。対照には、光未照射の眼球を使用した。タンパク質の回収効率を高めるため、切片の厚さを前年度の倍の約50μmとし、極力連続するような10~20枚の切片を作製した。また、抗酸化酵素であるManganase Superoxide Disumutase, Copper-Zinc Superoxide Dismutase, Glutathione Peroxidaseに対する抗体を用いて酵素抗体法により染色を行い、RT-PCRの結果と比較した。網膜層を色素上皮層,視細胞外節~外網状層,内顆粒層~内網状層,ガングリオン細胞層~神経線維層に分け,各々陽性反応が見られた部位をレーザーマイクロダイセクション法により切り出した。光を照射したラット網膜では上記抗酸化酵素が増加しており、免疫組織学的結果とRT-PCRの結果はほぼ一致していた。特に視細胞外節~外網状層でこれらの酵素が増加している事が明かとなった。
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