2009 Fiscal Year Annual Research Report
hPEDF(ヒト色素上皮由来因子)による視細胞保護効果の分子メカニズム解析
Project/Area Number |
20791259
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
池田 康博 Kyushu University, 大学病院, 助教 (20380389)
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Keywords | 網膜色素変性 / 遺伝子治療 / 視細胞保護 / ヒト色素上皮由来因子 / サル由来レンチウイルスベクター / アポトーシス誘導因子 |
Research Abstract |
1. 組換えhPEDFタンパクを用いたin vitro系を用いた保護効果とメカニズムの検証 アポトーシス抑制のメカニズム解析 血清除去刺激により、アポトーシス誘導因子(AIF)がミトコンドリアから核内へ移行することが明らかとなった。また、hPEDFはBcl-2の発現亢進を介し、ミトコンドリア膜の安定化させることで、AIFのミトコンドリアからの放出を抑制しており、この作用によりアポトーシスが抑制されていることが明らかとなった。 2. SIV-hPEDF遺伝子導入によるin vivo系を用いた保護効果の検証 既に保護効果が確認できているRCSラットを用い、SIV-hPEDFを3週令ラットの網膜下に注入し、2週間後に眼球を摘出して検討をおこなった。In vitroの結果と同様に、RCSラットにおいても、アポトーシスを生じた視細胞においてAIFの核内移行が生じていることが明らかとなった。また、SIV-hPEDFの遺伝子導入により、視細胞におけるAIFの核内移行が抑制され、最終的にアポトーシスが抑制されていることが明らかとなった。 3.網膜変性モデル動物における視細胞死のメカニズム検証 これまでの結果より、網膜変性における視細胞死にAIFが重要な役割を担っていることが明らかとなったが、さらにその上流に位置するシグナルについて網膜変性モデル動物(RCSラット、Rd10マウス)の網膜組織を用いて検討した。免疫組織化学染色により、PARP (poly (ADP-ribose) polymer polymerase)やCalpain経路の活性化が明らかとなった。今後は、この上流に位置するシグナルを検索する。
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