2008 Fiscal Year Annual Research Report
フィーダー細胞表面に存在する上皮分化抑制因子の同定
Project/Area Number |
20791272
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮下 英之 Keio University, 医学部, 研究員 (60424173)
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Keywords | 移植・再生医療 / 再生医学 |
Research Abstract |
移植用上皮シートの培養には線維芽細胞がフィーダー細胞として必須である。これまでフィーダー細胞にはマウス3T3が用いられてきたが、異種由来であるため最近はヒト細胞に置き換えられつつある。しかし3T3はそれ以外の細胞に比べ高い上皮未分化維持能を持つため、単純な代替では移植用上皮の質の低下が懸念される。これは上皮未分化維持能を担う責任分子の同定により解決できる。 我々はすでに、上皮のコロニー形成率(CFE)に差がある線維芽細胞(3T3およびCOPs)を比較し、候補遺伝子としてDlkを同定した。本年度は、Dlkの発現変化が上皮CFEに与える影響を検討した。まずCOPsにおけるDlkの強制発現を試みたが、導入効率の低さからCOS7への導入を行った。しかしDlk発現ベクターを導入したCOS7では、COS7自体が角化するため上皮CFEが全く評価できなかった。そこで、Dlk自体は細胞表面局在性因子のため、Dlk導入COS7をPFA固定して上皮への接触フィーダー層とし、液性因子を供給する3T3の隔離フィーダー層と共培養した。その結果上皮コロニーは形成されたものの、コントロールとの間に上皮CFEの有意差は認められなかった。また、3T3におけるDlkの発現抑制を試みたものの、設計したshRNAのDlkに対する抑制効果が確認できず、現在再設計中である。今後は、Dlk抑制細胞をフィーダーに用いて上皮CFEに対する効果を検証するとともに、別の候補遺伝子であるPtnについても検討を行う予定である。
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