2009 Fiscal Year Annual Research Report
角膜輪部上皮メラノサイトの役割の同定および角膜上皮幹細胞との相互作用の解明
Project/Area Number |
20791276
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
川島 素子 Keio University, 医学部, 助教 (00327610)
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Keywords | 再生医学 / 外科 / 細胞組織 |
Research Abstract |
これまで角膜の培養上皮シートを用いた眼表面の再生の報告では、培養上皮シートの質の向上として、移植時の角膜上皮細胞の重層化の状態や未分化細胞維持について述べることが主となっている。しかし、実際の臨床ではその生着にはniche(周りの環境)が非常に大切であり、本来の角膜輪部では角膜上皮幹細胞はメラノサイトと相互作用がある可能性がある。輪部メラノサイトの機能は未だ不明であり、培養上皮シート作成で、メラノサイトに関してはまったく考慮されていない。このため、本研究では「輪部メラノサイトが角膜上皮幹細胞のニッチとして必要である」という仮説のもと、前年度に確立した、輪部由来メラノサイトを選択的に分離培養する方法を用いて、ヒト輪部よりメラノサイトを分離培養、同じドナーより角膜上皮の分離培養を行った。メラノサイトは血清存在下で線維芽細胞様の形態、または樹状突起を失い、大きなN/C比をもつ大型細胞の形態を呈した。血清非存在下では増殖速度が遅いが小さいN/C比の形態を維持したが、メラニン色素が血清存在下と比べ弱い傾向にあった。このメラノサイトと上皮細胞との相互作用の解析を行うため、角膜輪部上皮細胞との共培養の条件検討として、細胞播種密度、培養液について検討を行った。低細胞密度では共培養の条件検討にまだ改善を要するため、現在メラノサイトのセルラインおよび角膜上皮細胞のセルラインを用いての検討を行っている。
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