2008 Fiscal Year Annual Research Report
ベーチェット病における疾患特異的自己抗原のプロテオミクスによる網羅的解析
Project/Area Number |
20791279
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
奥貫 陽子 Tokyo Medical University, 医学部, 助教 (40459508)
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Keywords | プロテオミクス / ぶどう膜炎 / 自己免疫 / 網膜抗原 |
Research Abstract |
平成20年度はヒト網膜(眼球は米国のアイバンクから購入したもの)組織から抽出した蛋白を抗原として二次元ウエスタンブロット法を行い、ぶどう膜炎を伴うベーチェット病患者に陽性率の高い網膜抗原を同定した。サンプルとして活動性のあるベーチェット病患者15例、健常人10例の血清を用いた。健常人と比較してベーチェット病で陽性率の高いスポット上位5個を選出し、MALDI-TOF MS/MSで同定したところ、それらの蛋白スポットおよびベーチェット病における陽性率は、Heat Shock Protein (HSP) 60(53.3%), aldolaseA (33.3%), oxygen regulated protein (33.3%), retinaldehyde binding protein 1 (26.7%), esterase D (20%)であることが判明した。HSP60はぶどう膜炎患者の網膜抗原としてすでに報告があるため、ほかの4個の抗原候補蛋白について抗原性の確認を進めた。Aldolase Aは市販の抗原を用いて一次元ウエスタンブロット法およびELISA法を行ったが、ベーチェット病患者血清との反応性は低く、抗原性の確認はできなかった。Esterase Dは我々の先の実験で、実験的自己免疫性ぶどう膜炎とヒト内因性ぶどう膜炎の共通抗原として発見され、2008年に論文として報告したものである。今後Oxygen regulated protein, retinaidehyde binding proteinについて現在組み換え蛋白を作成中であり、今後ベーチェット病患者における抗原性の確認を進めていく予定である。
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Research Products
(9 results)