2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791287
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Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation |
Principal Investigator |
平見 恭彦 Foundation for Biomedical Research and Innovation, 先端医療センター・眼科, 副医長 (00462721)
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Keywords | 人工多能性幹細胞 / 網膜視細胞 / 網膜色素上皮 / 分化誘導 / 細胞生物学 / 再生医療 |
Research Abstract |
人工多能性幹(iPS)細胞を用いて網膜細胞の分化誘導を試みるという目的に対して、ES細胞からの網膜細胞の分化誘導に用いた方法を応用して分化誘導を行った。マウスiPS細胞からの分化誘導は、未分化iPS細胞をフィーダー細胞と分離して無血清培地中で浮遊培養を9日間行い、その間、培地にWntおよびNodalシグナルの阻害薬を加えた。その後接着培養を行い、約15日目に神経網膜の前駆細胞のマーカーであるRxとPax6陽性の細胞および網膜色素上皮の前駆細胞のマーカーであるMitfとPax6陽性の細胞を免疫細胞染色およびRT-PCRで確認した。さらに分化開始後約30日目にタイトジャンクションのマーカーであるZO-1で染色される多角形状の細胞を確認し、約45日目には網膜色素上皮のマーカーであるRPE65陽性の細胞を確認した。分化開始30日目には視細胞の前駆細胞のマーカーであるCrx陽性の細胞も確認し、その後から培地にレチノイン酸およびタウリンを添加することにより、視細胞のマーカーであるリカバリンとロドプシン陽性の細胞を確認した。同様にヒトiPS細胞からの分化誘導は、未分化iPS細胞をフィーダー細胞と分離して無血清培地中で浮遊培養を20日間行い、その間、培地にWntおよびNodalシグナルの阻害薬を加えた。その後接着培養を行い、約40日目に神経網膜の前駆細胞のマーカーであるRxとPax6陽性の細胞および網膜色素上皮の前駆細胞のマーカーであるMitfとPax6陽性の細胞を確認した。さらに分化開始後約60日目に色素を有する多角形の網膜色素上皮様の細胞を確認した。分化開始30日目には視細胞の前駆細胞のマーカーであるCrx陽性の細胞も確認し、その後から培地にレチノイン酸およびタウリンを添加することにより、視細胞のマーカーであるリカバリンとロドプシン陽性の細胞を確認した。以上の結果から、マウスおよびヒトiPS細胞から網膜視細胞および色素上皮細胞が分化誘導されたと考えられた。網膜細胞移植の細胞源としてiPS細胞を利用できる可能性が示された。
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