2008 Fiscal Year Annual Research Report
角膜内皮特異的分化マーカーの同定とそれに基づくヒトES細胞から角膜内皮細胞の創出
Project/Area Number |
20791288
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
上野 盛夫 The Institute of Physical and Chemical Research, 細胞分化・器官発生研究グループ, 客員研究員 (40426531)
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Keywords | 眼発生 / 再生医学 |
Research Abstract |
研究代表者は昨年度までに角膜内皮前駆細胞と考えられる中脳領域の神経堤細胞にごく早期に発現している転写因子の活性をGPPの活性に置き換えたノックインES細胞を作成していた. 今年度はこのノックインES細胞からキメラマウスを作成することに成功した. 作成したキメラマウスの胎生8.5日胚で中脳神経堤細胞特異的にGPPの発現を認め, ノックインES細胞が角膜内皮前駆細胞である中脳神経堤細胞を特異的にマーキング出来ていることを確認できた. また, 個体内のほぼ全ての中脳神経堤由来組織にGFPを発現するノックインマウスの作成にも成功した. このノックインマウスを用いた角膜内皮細胞およびその前駆細胞に発現している分子マーカーの同定に関しては, 個体結生の段階毎の角膜内皮前駆細胞を収集しRNA抽出, cDNA作成を行った. また平成21年度に実施予定であったマウスES細胞から角膜内皮細胞への分化誘導系の最適化を行った. 本年度はその中でも特にマウスES細胞から中脳領域神経堤細胞への分化誘導系の効率化を試み良好な結果を得ている. 以上をまとめると, 本年度に研究代表者は角膜内皮特異的分化マーカーの同定に必要な材料の樹立および調整に成功するとともに, ヒトES細胞から角膜内皮細胞のin vitroでの創出の礎となるマウスES細胞から中脳領域神経堤細胞のin vitroでの分化誘導条件の最適化も行い, 本研究課題の達成に向け大きく前身したと考えている.
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