2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791291
|
Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
赤堀 正和 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 分子細胞生物学研究部, 流動研究員 (30343544)
|
Keywords | 動物 / 細胞・組織 / 遺伝子 |
Research Abstract |
加齢黄斑変性は米国では65歳以上で失明率が最も高い眼疾患であるが、日本でも急速な高齢化、生活の欧米化、診断装置の普及によって患者数は急増しており、その原因解明と予防・治療法の開発が急がれている。近年、加齢黄斑変性の発症リスクを高める要因として、習慣要因として喫煙歴、遺伝的要因としてHtrA1のプロモーター領域の-塩基置換(SNP)が報告されている。本研究は、このリスク遺伝子HtrA1のトランスジェニックマウスを作成し、その眼底像、網膜形態の観察、HtrA1の基質となりうる因子の免疫組織染色および機能評価としてERGの測定をおこない、HtrA1過剰発現による網膜の変化を観察し、黄斑変性症の発症機序におけるHtrA1の働きを解明することを目的としている。 本年度はまず、昨年度に作製したTgマウスの導入遺伝子のコピー数を測定および遺伝子発現をウェスタンブロッティングでおこない3系統のTgマウスを選別した。これらのTgマウスについて眼底観察および、眼球の切片を作製しHE染色を行ったところ、眼底撮影によりドルーゼン様の沈着が観察され、HE染色による形態観察により網膜に変性部位が認められた。 これらの研究成果から日本人に多い滲出型AMDと強く関連するHtrA1は、滲出型AMDの発症に関与していることが強く考えられ、HtrA1を高発現させたトランスジェニックマウスは滲出型AMDの発症機構の解明に有用なモデル動物として利用できることが示唆された。
|
Research Products
(2 results)