2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791296
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
森井 真也子 Akita University, 医学部, 医員 (10375280)
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Keywords | アポトーシス / ヤツメウナギ / 胆道閉鎖症 / 細胞培養 / 胆汁酸 |
Research Abstract |
ヤツメウナギ(Lethenteron reissneri)は幼生期には胆道系が存在し胆汁を腸管へ排出しているが、変態期には1度形成された胆道系が完全に消失する。変態後は摂餌することなく体長を縮め、越冬し春には産卵して一生を終える。成体はヒトにおける胆道閉鎖症の状態にもかかわらず黄疸や肝臓障害はみられない。これまで我々は、変態期ヤツメウナギの胆道消失過程におけるアポトーシスの関与について検討し報告してきた。ヤツメウナギにおける胆道消失はカスパーゼカスケードを介したアポトーシスによるものであり肝門部から中枢側へ進行し、変態の初期には一時的に肝内胆汁鬱滞の所見を呈していた。 ヤツメウナギにおけるアポトーシス機構をさらに詳細に検討するために初代細胞培養の手法を検討した。ヒトにおいて汎用されている皮膚線維芽細胞培養および、魚類におけるウロコ培養の手法を参考に、表皮を剥離し遊走法による培養を試みた。培養開始3時間ころより細胞の遊走がみられ4~7日間、増殖を続けた。2回の継代が可能であった。1回継代した細胞にスタウロスポリン投与しアポトーシスを誘導したところ、アポトーシスエフェクター蛋白であるカスパーゼ3の発現を認めた。2010年日本解剖学会総会にて、ヤツメウナギ表皮細胞の初代培養および、カスパーゼカスケードを介したアポトーシスの誘導に成功したことを報告した。今後、胆管を消失したヤツメウナギにおける胆汁成分の処理方法について研究を継続する予定である。
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Research Products
(4 results)