2010 Fiscal Year Annual Research Report
Gja1ノックアウトマウスを用いた低形成肺発生機序の解明に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
20791300
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永田 公二 九州大学, 大学病院, 助教 (20419568)
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Keywords | IGF / connexin43 / ニトロフェン / 横隔膜ヘルニア / 肺発達 |
Research Abstract |
【内容】Connexin43(Cx43)は、Gap junctionを構成する膜貫通蛋白の一構成蛋白である。Cx43は細胞内のホメオスタシスの維持のみならず、心や骨などの臓器の発達・成熟過程における形態形成や、細胞増殖・分化に関与しているとの報告がある。本年度は、前年度に得られた解析結果をもとに肺低形成モデルであるニトロフェンモデルラットを用いて低形成肺にIGFsを投与し、肺成熟効果の有無について検討した。 【方法】母獣の妊娠9日目にニトロフェンを投与し、出生直後の胎児肺を摘出し、コントロール群、IGF-1投与群、IGF-2投与群の3群にわけて24-48時間組織培養を行った。おのおのに関してThyroid transcription factor-1 (TTF-1), T1-α, alpha-smooth muscle actin (α-SMA)のmRNA発現をRT-PCRにて検討するとともに、同マーカーについて免疫染色を行った。同時にヘマトキシリンエオジン(HE)染色も行った。 【結果】real time RT-PCRの結果、コントロール群においてIGF-2投与群でTTF-1とT1-αのmRNAに優位な上昇を認めた。また、IGF-2投与群において形態学的に肺胞上皮細胞が立方上皮から扁平上皮細胞へと形態変化を起こしていたことがわかった。 【意義および重要性】今回の実験結果から、Cx 43 knockoutマウスと同様にニトロフェン投与モデルマウスの新生仔肺は、2型肺胞上皮細胞や1型肺胞上皮細胞、気管・血管における平滑筋細胞の細胞分化が、他の2群と比較して遅延しているものと考えられた。IGF-2を投与することで低形成肺の成熟を促す効果が得られる可能性があるものと考えられた。
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