2008 Fiscal Year Annual Research Report
ボンベシン投与による腸管ペースメーカー細胞機能維持とその生物学的作用の解析
Project/Area Number |
20791302
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
樋口 恒司 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 助教 (00433251)
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Keywords | 移植・再生医療 / 神経ペプチド |
Research Abstract |
小腸移植においては強力な免疫抑制下においても消化管粘膜および腸管神経のネットワークを維持することが重要。消化管運動には腸管神経のみならず、腸管ペースメーカー細胞が深く関係し、腸管免疫にも一部関与しているといわれている。本研究はこれまでの腸管神経に関する自実験結果をふまえ、強力な免疫抑制下においても消化管機能および腸管神経機能を低下させず、さらには腸管神経のみならず腸管ペースメーカー細胞の維持を促す管理方法を開発することを目的とし実験を進めている。 同系同所性小腸移植モデルを作成し、移植後早期の腸管神経及び腸管ペースメーカー細胞に与えるFK506とbombesinの影響について検討する。免疫抑制剤FK506の連日筋注投与群とFK506非投与群を作成し、さらにbombesinの投与の有無によっても群に分ける。 移植後7日目、14日目、28日目に移植小腸グラフトを採取する。各グループにおいて採取したサンプルを以下の手法により検索する。 (1)組織学的(形態学的)検討評価 凍結薄切標本及びWhole mount標本を作成し、c-kit抗体を用いた免疫染色法にて腸管ペースメーカー細胞の評価を行う。 (2)サイトカイン発現の検討評価 移植後7日目、14日目、28日目に採取した血液サンプルを用いて、RT-PCR法によりIL-1、IL-2、IL-6、IL-10等炎症関連サイトカインの発現及びNGF、EGF等の栄養因子やStem Cell Factorの発現について定量を行う。 (3)Bombesin receptorの発現検索 Bombesin receptor subtype-3抗体を用いてレセプター発現部位についても組織学的検索を行う。 c-kitにかかる組織学的形態学的検討はこれまでの研究成果に加えて得られ、論文として発表されたが、bombesin receptorについては形態学的評価に難渋し、現在別の評価方法について検討中である。 サイトカインについてのPCRによる定量評価は現在サンプル採取中であり、今後データ収集、解析を行う予定である。
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