2009 Fiscal Year Annual Research Report
末梢神経静脈吻合による、神経再生と骨格筋の再支配に関する研究
Project/Area Number |
20791316
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
白石 知大 Kyorin University, 医学部, 助教 (40433726)
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Keywords | 神経再生 |
Research Abstract |
末梢神経再生法として神経のバイパス方法は研究されそいるが、神経末梢端までの再生の方法は確立していない。この研究の一法として末梢神経・静脈縫合の可能性の研究を行った。Wister系ラットを用いて胸背静脈遠位端と胸背神経近位端の縫合を行うことで3ヶ月後に神経刺激により胸背神経支配筋である広背筋の収縮が見られることが確認された。しかし、胸背静脈は極めて細く縫合操作が困難であるため、モデル作成として必要数の作成が圏難であると考え、モデルを坐骨神経・大腿副脈縫合モデルを作成することとした。本モデルでは遠心性神経のみでなく、求心性神経の再生も検討対象となった。本モデル作成後1か月を経過したラットの大腿静脈内には約1cmの神経延長が認められた、またその神経内には静脈の構造も残存しており、神経の再生と同時に膜構造のリモデリングが起きているのではないかということが推察された。モデル作成と同時に測定系の確立も目指した。本モデルでは、胸背神経・静脈モデルと異なり、神経再生後の支配領域が明らかではない、遠心性(運動)神経については神経筋刺激によりその支配領域を推定することは可能であり、神経刺激装置・筋力測定装置はすでに確立している。しかし求心性(感覚)神経についてはその支配領域およびその確認方法も不明である。神経支配領域を検討する方法として、順行性トレーサーとしてCholeratoxin β subuni 1を用いる方法を考え、その適正投与量・測定までの適正観察期間、および免疫染色の抗体の適正濃度の検討を行った。投与量はマイクロシリンジを用いて5μlを投与、6日後に凍結切片を作成し、蛍光抗体法で染色するのがよいことが確認された,今年度の実験結果をもとにして、本モデルをさらに長期間経過観察し、神経の伸長を確認するとともに、確立された測定法を用いて検討することが可能となった。
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