2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791318
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
木下 幹雄 Kyorin University, 医学部, 助教 (50422308)
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Keywords | regenerative flap / 骨髄幹細胞移植 / 遊離皮弁 |
Research Abstract |
再生医療においては、幹細胞を組織内へ直接局所注射し、生着をはかるものが多いが、現在のところ移植する母床の研究はほとんど行われていない。再生医療において骨髄幹細胞が臨床応用される場合には、移植床は機能不全状態に陥っている場合が多く、細胞が生着する条件としては至適とはいえない。 そこでH20年度の研究においては、幹細胞を移植する母床のモデルとしてマウスの背部にskinchamberの作成を試みた。具体的にはマウスの背部に筋膜上で薄層の皮弁を挙上し、皮弁に緊張をもたせるために周囲に枠組みを固定した。この際、皮弁内部への血流を妨げぬよう固定する点に留意した。 このskin chamberは皮弁内を走行する血管を直接観察できる点が非常に有用であり、実体顕微鏡の倍率を上げて観察することで血流の方向まで確認が可能である。また、この皮弁に種々の幹細胞を移植することにより血管新生の相違や血流の評価などを可視化することが可能となる。また、皮弁の血流を一旦途絶させたのち、再開通させることにより、虚血再還流モデルとしても利用することが可能となる。さまざまな条件での虚血再還流モデルに対して骨髄細胞移植を行い、血管新生や血液還流の評価を行うことで、遊離皮弁を作成した際の幹細胞導入の至適条件検出のために有益であると考えられる。 今後はこの皮弁を元に遊離皮弁への幹細胞導入の至適条件を検出する。そして、この条件に則して実際に遊離皮弁へ幹細胞導入を行い、機能させたい部位へ顕微鏡下に移植する方法を開発する予定である。
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