2008 Fiscal Year Annual Research Report
安全で高性能な毛髪付複合型培養皮膚の開発に関する実験的研究
Project/Area Number |
20791319
|
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
藤森 靖 Osaka Medical College, 医学部, 非常勤講師 (70351393)
|
Keywords | 移植・再生医療 / 細胞・組織 / 培養皮膚 / 角化細胞 / 表皮幹細胞 |
Research Abstract |
1. 複合型培養皮膚の足場(スキャフォールド)の作製化学的方法(酵素をもちいた処理方法)で無細胞真皮を作製した。ラットの口蓋粘膜、足底皮膚、背部皮膚(各々n=3)において無細胞真皮を作成したが、いずれも細胞の残存はなく、HE染色で基底層構造が確認できた。 2. 表皮幹/前駆細胞に富む細胞懸濁液の作製細胞径の小さな表皮細胞を、安全かつ効率よく集めるために20μmおよび10μmのボアサイズのナイロンネットフィルターをもちいて分取し、表皮幹/前駆細胞を多く含む細胞懸濁液を用意し、複合型培養皮膚を作製した。フィルターを透過した細胞群をNon-Trapped Cells、フィルターを透過しなかった細胞群をTrapped Cellsとして、フローサイトメトリー(細胞径、細胞表面マーカーα 6 integrinとCD71の発現分析、n=4)、長期培養(n=5)、コロニー形成能(n=3)で両群を比較した。いずれの解析においてもNon-Trapped Cell、つまり細胞径の小さな表皮細胞を含んだ群で、Trapped Cellに対して有意差をもって表皮幹細胞/前駆細胞の性質を示した。 3. 複合型培養皮膚の作成化学的方法により作製した無細胞真皮に、Non-Trapped Cells群とTrapped Cells群を播種し、エアリキッド条件下で3次元培養をおこない、それぞれの群の表皮形成能を、細胞播種後4日目と、11日目にHE染色像で確認した(n=2)。Non-Trapped Cells群においてより厚い表皮が形成されていた。
|