2009 Fiscal Year Annual Research Report
新しい意識障害の評価法Emergency Coma Scale の大規模比較研究
Project/Area Number |
20791322
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
高橋 千晶 University of Toyama, 富山大学・大学病院, 医員 (20456396)
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Keywords | 神経救急 / Emergency Coma Scale / 意識障害 / 意識レベル / スケール / Japan Coma Scale / Glasgow Coma Scale |
Research Abstract |
2種類のスタディーから構成されたECS Co Operative Multi-center Evaluation Trial (E-COMET):多施設合同比較研究を開催し、日本ECS学会参加施設より症例のデータ収集、統計処理を行い、学会報告、論文報告を行った。 1. 多施設合同比較研究(STEP I) 救急外来に搬送された患者の意識レベルをJCS、GCS、ECSの3つのスケールを用いて評価、記録する。その収集データより、SAS9.1Jを用いて評価者間のスコアの一致率、職業別、疾患別のスコアの一致率の統計を行った。また、患者の転帰を追跡し、来院時のComa scaleのスコアとの相関をDr.SPSSIIを使用し、ロジスティック回帰分析を行うことで分析した。 2. インターネットあによる比較研究(STEP II) ECS website内で公開されている意識障害のある模擬患者の動画を評価者が閲覧し、3つのスケールを用いて意識レベルを評価、ホームページに入力、送信する。評価者全員が同じ動画を閲覧し、評価することで正解率を算出し、正確性を評価した。 ECSは従来のスケールに比べ、簡便であり、かつ患者の状態をより鋭敏に、正確かつ迅速に表現することができること、また医学教育に有用であること、ECSスコアと患者の転帰はほかのスコアに比較し、ある程度関連性が強いことが立証される結果を得た。このスケールをを普及させることにより、医療従事者の職種間での評価スケールの標準化が実現し、診療効率がアップすると考えられた。このスケールは急性期をターゲットとしているが、一つのスケールで患者の慢性期から、ある程度の転帰の予測までも応用できる可能性が高いこともわかった。上記結果を国際学会を含めた複数の学会発表、また英文雑誌への発表を行った。
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Research Products
(7 results)