2009 Fiscal Year Annual Research Report
口腔内感覚受容器における小胞性アミノ酸輸送体の局在とその機能
Project/Area Number |
20791333
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
本間 志保 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 講師 (40372627)
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Keywords | VGLUT / 三叉神経 / 機械受容器 / 自由神経終末 / 免疫組織化学 / グルタミン酸 |
Research Abstract |
グルタミン酸は興奮性神経伝達物質の一つであり、小胞性グルタミン酸輸送体(VGLUTs)によってシナプス小胞内へ輸送される。VGLUTsには現在のところ3つのサブユニット(VGLUT1、VGLUT2、VGLUT3)が認められており、脳内における局在は部位によって異なることが明らかになっている。これまでにVCLUTsはシナプス小胞の存在する部位のみならず、筋紡錘など末梢感覚受容器にも認められることが報告されているが、その機能は未だ解明されていない。本研究において三叉神経一次求心性線維の末梢感覚受容器におけるVGLUTsの局在を免疫組織化学的手法により明らかにした。また三叉神経節において蛍光免疫二重染色をおこない、異なるサブユニットの共存を検索した。その結果、VGLUTsは歯根膜や口蓋上皮の機械受容器をはじめ、歯髄や歯肉上皮に存在する自由神経終末など、多様な口腔内感覚受容器に広く存在していることが分かった。さらに、ご叉神経運動核において3つのサブタイプを検索したところ、VCLUT1は比較的大きめのvaricosityに陽性を示し、VGLUT2は小型のvaricosityに陽性を示した。これらの免疫陽性反応物は三叉神経運動核に終止する神経終末と考えられる。VGLUT1,2はともに運動ニューロンの細胞体には明確な反応は認められなかった。一方VGLUT3は三叉神経運動核ニューロンの細胞体のみに陽性反応を示した。このニューロンは神経伝達物質としてグルタミン酸を有しないことから、VGLUT3は他のVGLUTsとは異なり、グルタミン酸輸送以外の働きを有する可能性が示唆された。
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