2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791334
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古田 信道 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 助教 (50452446)
|
Keywords | 歯周病 / 感染 / 細胞内輸送 / 歯学 / 細菌 / 炎症 |
Research Abstract |
歯周病原因菌の一つであるグラム陰性菌Porphyromonas gingivalis(以下P.g.)の主要な病原因子としてGingipain(cystein protease : Kgp及びRgp)、線毛、及びLPSが報告されている。P.g.はエンドサイトーシスを介して細胞内に侵人し、多種多様な細胞機能傷害を引き起こす。一方、グラム陰性菌においては宿主細胞に対し病原性因子小胞を放出し様々な毒性を発揮する。P.g.においてもGingipain、線毛、及びLPSを含む小胞を分泌することが報告されているが、この小胞の機能については未解明な部分が多い。我々は小胞の細胞内侵入機構、及び細胞傷害性機構について検討したところ、小胞の細胞内侵人にはRac1、アクチン、PI3P、脂質、及び膜脂質ドメインであるラフトを利用したエンドサイトーシス機構が関与していることが示唆された。さらにKgpやRgpをそれぞれ欠失させたP.g.変異株小胞において、Rgp欠損株小胞は細胞内に侵入できず、またRgp阻害剤処理した野生株小胞の細胞内侵入が阻害されたことから、小胞の細胞内侵入にはRgpが関与している可能性が示唆された。加えて野生株小胞を処理した細胞では増殖能、及び運動能低下が認められたが、Rgp欠損株小胞処理の細胞はこれらがほぼ正常であったことから、P.g.-小胞はRgp依存的に効率的に細胞内に侵入し細胞傷害性機能を発揮していることが示唆された。
|