2009 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌における染色体1p36領域の新規癌抑制遺伝子の同定
Project/Area Number |
20791337
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
玉村 亮 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00403494)
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Keywords | 口腔癌 / 癌抑制遺伝子 / LOH解析 / 扁平上皮癌 |
Research Abstract |
重要な癌抑制遺伝子の存在が考えられる染色体1p36領域においてgenome wideなヘテロ接合性消失(LOH)解析を行う。この解析により新規口腔癌癌抑制遺伝子の同定と機能解析を行うことを目的とする。本研究から得られる口腔癌における新規癌抑制遺伝子の同定と機能解析は癌発生メカニズムの解明の一助となり、また新たな分子標的医療に応用することが可能なものとなり得る。 平成20年度の結果から、染色体1p36の3つの領域(region1~3)において高率にLOHが認められ、本染色体領域に口腔扁平上皮癌発生に関わる新規癌抑制遺伝子が存在する可能性が考えられた。平成21年度は、さらに詳細な検討を行った結果、region2では1つのマイクロサテライトマーカーに限局したLOHが認められたため本領域に存在する癌抑制遺伝子が癌化の初期に関与することが示唆された。また、region3では複数のマイクロサテライトマーカーに渡る広範なLOHが認められた。すなわち複数の癌抑制遺伝子変異が関与していると考えられ、本領域に存在する癌抑制遺伝子が癌化の後期に関与する可能性が示唆された。また、gene mappingからregion1にはDFFB、p73、region2にはRIZ、UBE4B、region3にはEPHB2、Rap1GAP遺伝子など現在までに癌抑制遺伝子候補として報告されている遺伝子が存在し、これら遺伝子が口腔扁平上皮癌の癌抑制遺伝子候補として考えられた。 平成22年度は、口腔扁平上皮癌の癌抑制遺伝子候補として絞り込まれた遺伝子のうち、最も高率にLOHが認められたregion2に存在するRIZ遺伝子、また、region3に存在するEPHB2に焦点を絞り、遺伝子解析・蛋白発現を行う。
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Research Products
(8 results)