2008 Fiscal Year Annual Research Report
再生した歯根膜ルフィニ神経終末は咀嚼運動の構成に再び寄与するか?
Project/Area Number |
20791351
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
黒瀬 雅之 Niigata University, 医歯学系, 助教 (40397162)
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Keywords | 咀嚼 / 嚥下 / 再生 / 歯根膜 / 感覚受容器 / マウス |
Research Abstract |
3年間の実験計画の初年度に当たる本年度では、まず、本研究計画に用いる遺伝子改変マウスであるNT-4/5ノックアウトマウスの個体を得ることから開始した。NT-4/5ノックアウトマウスは、米国ジャクソン研究所より凍結卵の形で購入した。凍結卵はヘテロであったため、実験計画に必要なNT-4/5ホモは繁殖を繰り返すことで得ることが出来る。よって、現在、円滑な実験計画遂行のための複数のペアを作成している。これらのペアを用いて、さらに繁殖を続け、次年度に定期的にNT-4/5ホモのマウスを得ることが出来ることが期待される。 繁殖の結果、得られたWild-Typeの個体を用いて、NT-4/5ホモから得られたデータの比較対象として用いるための、咀嚼運動や飲水行動などのBehaviorを中心に記録を本年度は行った。咀嚼運動・飲水行動は、研究代表者が開発した三次元下顎運動記録装置を用いて行った。咀嚼運動記録には、NT-4/5ノックアウトマウスの表現型として感覚受容器の成長遅延があるため、食品物性に考慮し、物性の異なる食品を用いて記録を行った。記録結果から、研究代表者が基礎実験の段階で、C3HやC57/B6などの近交系の個体により得られた下顎運動様式並びに筋活動様式と類似した運動様式を示すことが明らかとなった。これにより、基礎実験で用いた解析パラメータが本実験計画においても用いることが可能であり、さらに比較検討を行う上で有効であることが示唆された。 飲水行動においては、咀嚼運動における顎の開閉口と比較して非常に早い頻度の開閉口並びに特徴的な矢状面における下顎運動軌跡が観察された。
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