2008 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織特異的構成細胞による口腔顎顔面領域の疼痛制御機序の解明
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20791352
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡 広子 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, その他(特任助教) (60452588)
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Keywords | 炎症性疼痛 |
Research Abstract |
本年度は、炎症性疼痛モデルマウスおよび培養細胞を用いて、歯周組織構成細胞の炎症性疼痛制御における役割を解明する目的で以下とおり実施した。 1. TLR4を介したLPSの刺激と疼痛の関連が指摘されていることから、まず、培養細胞におけるTLR4の発現を検討した。マウスセメント芽細胞、骨芽細胞系細胞株MC3T3-E1、およびST2においてTLR4が強く発現していた。セメント芽細胞と骨芽細胞系細胞間における発現量の違いは明らかでなかった。 2. 歯周組織構成細胞の疼痛制御における役割を検討するため、まず、アジュバント炎症モデルにおいて、炎症細胞抑制作用が報告されている物質の脊髄後根神経節細胞のカルシトニン遺伝子関連ペプチドおよびサブスタンスPの発現に及ぼす影響を検討した。炎症細胞抑制作用を有する物質を皮下投与することにより、脊髄後根神経節におけるカルシトニン遺伝子関連ペプチドおよびサブスタンスmRNA発現が抑制される傾向が見られた。 3. 破骨細胞・破歯細胞が関与する疼痛の及ぼす歯周組織構成細胞の役割の検討に際し、歯周組織構成細胞が分泌する物質の影響を調べるため、まず、破骨細胞培養系に歯周組織構成細胞の培養上清を添加したところ、破骨細胞の誘導抑制が観察された。一方、2で用いた抗炎症作用が報告されている物質の皮下投与ではアジュバント炎症モデルで観察される破骨細胞の出現に影響は確認できなかった。
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