2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織特異的構成細胞による口腔顎顔面領域の疼痛制御機序の解明
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20791352
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡 広子 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 特任助教 (60452588)
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Keywords | 炎症性疼痛 |
Research Abstract |
本年度は、マウス株化細胞および歯周組織より採取した細胞を用いて、歯周組織構成細胞の疼痛制御における役割を解明する目的で以下のとおり実施した。 1. 歯周組織構成細胞における痛み受容体および疼痛制御因子の発現を検討した。骨髄細胞、歯周靭帯細胞および骨芽細胞系細胞株ST2において浸透圧や機械的刺激の受容に関わるTRPV4の発現が認められた。一方で、歯周靭帯細胞では疼痛抑制因子として知られるNGFの発現も認められた。 2. 歯周靭帯細胞のMIFの放出を検討した。歯根周囲の細胞に特異的に発現するタンパクを添加したところ、濃度依存的にMIFの発現が上昇した。そこで、炎症細胞が遊走する状態を想定し、マクロファージコロニー刺激因子を添加して、サブスタンスPおよびカルシトニン遺伝子関連ペプチドの発現を検討した。しかしながら、本検討では歯周靭帯細胞へのマクロファージコロニー刺激因子の添加の有無でサブスタンスPおよびカルシトニン遺伝子関連ペプチドの発現に一定の変化は認められなかった。 3. 破骨細胞培養系を用いて破骨細胞誘導における歯周組織構成細胞由来因子の影響を検討した。歯根周囲の細胞に特異的に発現するタンパクを破骨細胞誘導培養系に添加したところ、破骨細胞の誘導が抑制される傾向が認められた。そこで、破骨細胞前駆細胞からの破骨細胞誘導・維持に関わるNFATcl、カテプシンK、TRAP、インテグリンαvおよびβ3の発現に及ぼす影響を検討したが、添加群と非添加群で発現量に有意な差は認められなかった。
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