2009 Fiscal Year Annual Research Report
早産・低体重児出産と歯周病の連関メカニズムの解析とその制御
Project/Area Number |
20791354
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
瀧井 良祐 Yamaguchi University, 大学院・医学研究科, 助教 (00419558)
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Keywords | 早産 / 低体重児 / 歯周病 / ジンジパイン / ストレス |
Research Abstract |
本研究は、歯周病の最重要病原菌と考えられているジンジバリス菌の感染と早産・低体重児出産に対する関連性を明らかにし、その分子機構を解明することにある。前年度までに、我々はいくつかの興味深い知見を得ており、本年度はさらなる解析を行い、歯周病抑制による早産・低体重児出産の予防の確立を目指し、実験動物を用いて検討した。まず、妊娠マウスにジンジバリス菌を感染させると、2×10^7CFU以上では、仔の著しい体重の減少と早期出産を引き起こす。しかし、ジンジパイン欠損株では、1×10^9CFUの菌を母体に注射しても、早産を引き起こすことはなかった。さらに、歯周病は慢性疾患であることを考慮し、慢性的なジンジバリス菌の投与に対するジンジパイン阻害剤の効果を検討した。その結果、一過的な阻害剤の投与は、早産・低体重児出産を防ぐことができなかったが、継続的なジンジパイン阻害剤の投与は、早産・低体重児出産に対し、非常に有為に予防効果を示した。またこの効果も、Rgp阻害剤単独よりも、RgpおよびKgp量阻害剤の併用で、最も高い効果を示した。これらのことから、ジンジパイン阻害剤は歯周病による早産低体重児出産の抑制に効果があることが示された。しかし、重度の歯周病患者には、その効果は乏しく、やはり日常のプラークコントロールが重要であることが改めて示された。
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