2009 Fiscal Year Annual Research Report
味細胞の活動電位依存性ATP放出:超微量リアルタイム測定法の開発
Project/Area Number |
20791355
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村田 芳博 Kochi University, 教育研究部・医療学系, 助教 (40377031)
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Keywords | 味細胞 / シナプス / 神経伝達物質 / ATP / ヘミチャネル / 活動電位 |
Research Abstract |
味覚情報が味細胞から味神経へと伝達される際、その主要な神経伝達物質はATPと考えられている。味細胞の中で、甘味、苦味またはうま味受容体が発現する味細胞にはシナプス小胞が観察されない等、味神経への情報伝達機構が不明であった。昨年度の本研究において、味応答とその神経伝達物質放出量を、同一味細胞から単一細胞レベルで記録・測定する技術を確立した。その上で、甘味、苦味もしくはうま味刺激に応答する味細胞からも、刺激に応じてATPが放出されること、その放出量は味細胞が発生する活動電位の頻度に依存すること、さらにはヘミチャネルにも依存することを明らかにした。本年度は、まず記録測定技術の改良により、同一味細胞から複数回の味応答記録およびATP放出量測定を可能にした。そこで、味細胞からの神経伝達物質・ATP放出における活動電位の機能的役割を薬理学的に解析した。その結果、ヘミチャネルのプロッカーであるカルベノキソロン存在下では、味細胞のATP放出は濃度依存的に抑制され、5μMという低濃度で検出限界以下となった。一方、電位依存性Naチャネルのブロッカーであるテトロドトキシン(TTX)存在下でも、味細胞からのATP放出は抑制されたが、活動電位が全く発生しないTTX濃度においても完全には抑制されなかった。以上の結果をこれまでの味細胞における細胞内情報伝達機構の研究と照らし合わせると、味細胞は味刺激によって生じる一過性の細胞内Ca^<2+>上昇によってヘミチャネルが開口することでATPを放出するが、味細胞が発生する活動電位はそのシグナルを増幅する役割があることと考えられる。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Discrimination of taste qualities among mouse fungiform taste bud cells2009
Author(s)
Rysuke Yoshida, Aya Miyauchi, Toshiaki Yasuo, Masafumi Jyotaki, Yoshihiro Murata, Keiko Yasumatsu, Noriatsu Shigemura, Yuchio Yanagawa, Kunihiko Obata, Hiroshi Ueno, Robert F.Margolskee, Yuzo Ninomiya
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Journal Title
The Journal of Physiology 257
Pages: 4425-4439
Peer Reviewed
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