2008 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺支配神経終末におけるニコチン受容体の生理機構の解明
Project/Area Number |
20791357
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
小野 堅太郎 Kyushu Dental College, 歯学部, 助教 (40316154)
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Keywords | ニコチン / ニコチン受容体 / 神経終末 / 耳下腺 / 顎下腺 / シチジン |
Research Abstract |
平成20年度において、交付申請書に記載したように、研究代表者は唾液腺細胞に対する実験を本研究計画で初めて行うため、酵素処理により得られた単離耳下腺・顎下腺細胞でのカルシウム変動に関して過去の報告と同じような反応性を有しているかどうかについて確認を行った。刺激薬として、カルバコール、ノルアドレナリン、ATP、サブスタンスPなどを用いたところ、腺房細胞と導管細胞間にて、さらには耳下腺と顎下腺間において反応性に違いが見られたことから、これらの点について学会発表を行ってきた(論文投稿中)。これらの実験にて、おおよそ過去の報告と同様の反応性が得られたことから、次の予備実験として、高カリウム刺激による耳下腺腺房細胞の反応性についても検討した。高カリウム刺激にて耳下腺性房細胞は一過性の細胞内カルシウム上昇が引き起こされた。腺房細胞での機能が否定されている電位依存性カルシウムチャネルの阻害薬であるカドミウムにて、この反応は抑制されることから、単離された腺房細胞に神経終末が残っている可能性が示唆された。さらに、この反応はムスカリン受容体の拮抗薬にても抑制されるので、高カリウム刺激により神経終末からアセチルコリンが放出されていることが示唆された。これらの結果を踏まえ、ニコチンならびに別のニコチン受容体作用薬であるシチジンを投与したところ、高カリウム刺激にて反応する腺房において、必ず一過性の細胞内カルシウム上昇が引き起こされた。現在は、ニコチン受容体サブタイプを同定するため、各サブタイプに比較的選択性の高い拮抗薬を用いた実験を行っている。また、インビボ実験とWestern blotting実験に関しては、実験のセットアップが完了し、平成21年度より行う予定である。
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