2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791362
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
望月 文子 Showa University, 歯学部, 助教 (10453648)
|
Keywords | 破骨細胞 / 分化 / 接着シグナル / RANK / マクロファージ |
Research Abstract |
破骨細胞前駆細胞であるマクロファージは骨髄中だけでなく、生体内のあらゆる組織に存在する。しかし破骨細胞が骨組織にのみ存在するのは、骨表面に存在する破骨細胞分化に必須な何らかのシグナルがマクロファージを破骨細胞へと分化させていると考えられる。以前、破骨細胞分化にはTRANCEとM-CSFの他に細胞接着が必須であると報告されたが、細胞接着が破骨細胞分化にどのような影響を及ぼすか詳細なメカニズムはいまだ解明されていない。そこで破骨細胞分化における細胞接着の役割を解明することとした。 マウスの骨髄細胞からM-CSFとTGF-bで誘導した破骨細胞前駆細胞(BMMs)を、細胞培養用のプラスチックプレート上(接着状態)およびメチルセルロース培地上(非接着状態)で培養し、破骨細胞分化、細胞内シグナル、RANK mRNAの発現を検討した。BMMsを接着状態で培養するとTRANCE刺激によって効率よく破骨細胞に分化した。しかし、非接着状態では破骨細胞への分化効率が著しく低下した。接着状態にあるBMMsをTRANCEで刺激すると、NF-kB経路が活性化されたが、非接着状態ではそれが起こらなかった。接着状態にあるBMMsは一定レベルのRANK mRNAを発現していたが、非接着状態に移行すると、速やかにその発現レベルが低下した。逆に非接着状態にあったBMMsがプレートに接着するとRANKの発現が回復した。接着シグナルは分化前のRANKの発現誘導に必要と思われる。しかし、非接着状態に移行するとRANKの発現が低下し、破骨細胞への分化が困難になると予想される。また、いったんRANKからのシグナルが入るとRANK自身の発現が誘導されるため、非接着状態でも分化が可能になるのではないかと推察される。
|