2008 Fiscal Year Annual Research Report
IKKαに関与する未知の分化誘導因子の特定とその機能解析
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20791364
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
前田 元太 The Nippon Dental University, 生命歯学部, 助教 (80434140)
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Keywords | IKKα / 扁平上皮癌 / 分化 / 転写因子 / エピジェネティック |
Research Abstract |
本年度の研究計画はIKKαに関与する未知の分化誘導因子を特定することである。未知の分化誘導因子を特定することにより、IKKαの癌抑制遺伝子としての機能とメカニズムを解明する。その結果、上皮癌および上皮疾患に対する新しい薬剤や治療法などの確立に寄与すると考えられる。 最近の報告により、SMADファミリーがIKKαと結合し核内に移行することが示唆された。そこで、FLAG標識とMYC標識SMAD2/3/4プラスミドを製作し、HaCaT細胞に導入した。Tag標識によるウェスタンブロットを行い、目的遺伝子の導入を確認した。今後、免疫沈降を行いIKKα・SMADファミリーの結合を確認するともに、予想されるタンパク質(ビタミンDレセプター、エストロゲンレセプター、PPARγ)との結合を解析する。 IKK対αの発現抑制メカニズムを解明するためにmiRNAを用いて解析した。IKKαに関与するmiRNA(148a, 148b, let7i)をIKKαの発現の異なる9種類の細胞に導入し、影響を調べた。その結果、miRNAとIKKαの発現レベルとの相関関係は成り立たなかった。このことから、IKKαはmiRNAによる制御を受けず、他の因子により発現を制御されることが示唆された。このことはIKKαの発現がプロモーター領域のメチル化、LOHやMSIなどエピジェネティックな変化により制御されているという申請者の報告(Maeda et al, Chn Cancer Res., 13, 5041-7, 2007.)とも一致する。今後は、IKKαの3'UTRを解析することにより、扁平上皮癌の分化・発生とmiRNAの関係について解析する。
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