2008 Fiscal Year Annual Research Report
内因性カルシニューリン抑制蛋白質RCAN1の破骨細胞分化制御因子としての役割
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20791366
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
小畑 孝二 Aichi Gakuin University, 歯学部, 助教 (40378229)
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Keywords | RCAN1 / 破骨細胞 / RAW264.7 / カルシニューリン / 骨吸収 / siRNA / 遺伝子導入 / 可溶性RANKL |
Research Abstract |
本研究の目的は、内因性カルシニューリン抑制蛋白質(RCAN)1の破骨細胞の分化や骨吸収活性における役割について検討し、破骨細胞の分化に必須のシグナル伝達系であるカルシニューリン-NAFTcl系を自らが負に制御するという新たなメカニズムの存在を明らかにすることである。そこで、可溶性RANKLによるRAW264.7細胞の破骨細胞分化実験系を用い、siRNAによるLoss-of-functionおよび過剰発現ベクターの遺伝子導入によるGain-of-functionの2方向からのアプローチを行った。本実験に至る予備実験において、破骨細胞分化が進むに従いRCAN1のmRNA発現の増大を確認した。実験1) siRNAによるLoss-of-functionとして、はじめにsiRNAの種類・濃度・投与方法等の条件設定を行った。その条件の下、可溶性RANKL(100ng/ml)あるいはsiRNAを投与後、0, 2, 4, 6日目をサンプルとし、形成過程においてどの段階でのRCANノックダウンが最も効果的であるかについて現在検討中である。さらに今後は、骨吸収活性に与える影響を調べる予定である。実験2) RCAN1過剰発現によるGain-of-functionとして、pcDNA3.1にマウスRCAN1 cDNA、恒常的活性型カルシニューリンcDNA、Green fluorescent protein cDNAを組み込んだ発現ベクターを構築した。それらをRAW264.7細胞にトランスフェクションし、薬剤耐性によって遺伝子導入された細胞を選択的に採取し、限界希釈法によってクローン化した。現在、可溶性RANKL刺激による破骨細胞分化に与える影響を検討中である。これらの実験によって、RCAN1の破骨細胞分化における役割を明らかにし、破骨細胞自らが分化や増殖を負に抑制するメカニズムの存在を提唱することが可能になると考えており、さらに今後の研究が期待される。
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