2009 Fiscal Year Annual Research Report
内因性カルシニューリン抑制蛋白質RCAN1の破骨細胞分化制御因子としての役割
Project/Area Number |
20791366
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
小畑 孝二 Nara Medical University, 医学部, 助教 (40378229)
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Keywords | 骨代謝 / 破骨細胞 / RCAN1 / カルシニューリン / NFAT / カルシウム / 骨吸収 / RAW264.7 |
Research Abstract |
本研究の目的は、破骨細胞自身がRCAN1を産生することでカルシニューリン-NFATc1シグナル伝達系を抑制し、自らが分化あるいは骨吸収活性を負に調節する新規の破骨細胞分化のメカニズムの存在を明らかにすることである。そこで申請者は、マウス由来マクロファージ細胞株であるRAW264.7細胞を用いて、可溶性RANKL(sRANKL)による破骨細胞分化誘導過程におけるRCANの役割を調べた。はじめに分化過程におけるmRNA発現をRT-PCR法によって調べたところ、大変興味深いことに、分化が進むに従いRCAN1-4のmRNA発現の増大を確認した。またsiRNAを利用したloss-of-function実験では、予想に反して破骨細胞形成への影響はほとんど見られなかった。その理由として、手技的な問題も考えられるが、RCANはファミリーを形成しており、RCAN2のmRNAを調べたところ、分化過程による変化は見られなかった。それらRCANファミリーによって、破骨細胞分化におけるRCAN1の役割が代償されている可能性が示唆された。今後、それらRCANファミリーについても検討する必要性を示した結果となった。本研究は、RCAN1がDown syndrome critical (candidate) region (DSCR)1として、21番染色体トリソミーであるダウン症症候群の原因遺伝子座にある遺伝子の一つとして発見されたことからも骨形成(骨代謝)に重要な役割を持つと考え、さらにはRCANを利用した骨粗鬆症等の骨吸収が促進する疾患における新規の治療法の開発を最終目標とした。RCANは大変興味深い分子であり、今後さらに研究を進めることで発展が期待される。
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Research Products
(4 results)