2009 Fiscal Year Annual Research Report
CTリンパグラフィーを応用した高リスクリンパ節に重点をおいた画像診断の考案
Project/Area Number |
20791371
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
斎藤 美紀子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90401760)
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Keywords | センチネルリンパ節 / 口腔癌 / 画像診断 |
Research Abstract |
本研究は、予防的頸部郭清を行わない舌癌cNO症例を対象とし、手術前にそれぞれの症例ごとに異なるリンパ流の経路を明らかにするとともに後発転移のリスクの高いリンパ節(以下高リスクリンパ節)を同定し、個々の症例に合わせた画像診断を考案することを目的に行った。 新潟大学医歯学総合病院歯科で手術を受ける舌癌cNO症例のうち、本研究の趣旨や内容についてインフォームドコンセントの得られた患者10例に対して、CTリンパグラフィーを施行した。撮影後にワークステーション上で多断面から観察し、原発巣から連続して造影剤増強効果のみられたリンパ管とリンパ節を検索し、リンパ流路と高リスクリンパ節を同定した。リンパ流路は概ね4経路に大別された。また、高リスクリンパ節として同定されたのは顎下リンパ節、上内頸静脈リンパ節、舌リンパ節であった。 本研究で定義した高リスクリンパ節とはすなわちセンチネルリンパ節とほぼ同義であるが、介在リンパ節である舌リンパ節が舌癌のセンチネルリンパ節として同定されたのは本研究が初めてである。また、舌リンパ節を経由し舌骨近傍を経由し中内頸静脈リンパ節に至る経路は後発頸部転移をきたした際に、臨床的に制御が困難なpara-hyoid areaと一致した。特に、舌リンパ節を経由しpara-hyoid areaを通過するリンパ流路を有する症例の検出は、RI法が主体のセンチネルリンパ節マッピングの手法では困難であると考えられるが、CTリンパグラフィーを応用することにより高リスクリンパ節を確認した上で経過観察を行なうことが可能となり、後発転移・局所再発をきたした場合でも確実な診断、治療方針の決定につながり、非常に有益であると考えられた。
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Research Products
(4 results)