2008 Fiscal Year Annual Research Report
ノンコーディング遺伝子U50HGおよびU50snoRNAによるリンパ系機能制御
Project/Area Number |
20791374
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
添野 雄一 The Nippon Dental University, 生命歯学部, 講師 (70350139)
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Keywords | 歯学 / 病理学 / ノンコーディングRNA / ホスト遺伝子 / snoRNA / rRNA / リンパ腫 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
低分子核小体RNA(snoRNA)はリボソーム翻訳装置の成熟に働くノンコーディングRNAである。本研究では、ヒト悪性リンパ腫のt(3 ; 6)(q27 ; q15)染色体転座点6q15より同定された低分子核小体RNA(U50 snoRNA)およびホスト遺伝子U50HGについて、リンパ腫クローンおよび研究代表者らが作出したマウスオルソログmU50の欠損マウスモデルを用いて、リンパ細胞でのU50発現様式(U50HG転写)、実際のリンパ装置(胸腺・脾臓・リンパ節)におけるU50機能ユニットの組成および局在・動態、分子欠損によるリンパ系システムの異常と病態の解明を目指す。初年度では、当初の研究計画に沿って遺伝子欠損マウスの遺伝形質を整えるための同系統交配を10世代目まで継続し、最終的に雄性ヘテロ胚の凍結保存まで完了した。これまでに欠損型動物の表現型を70週齢まで経過観察するなかで、少数例ではあるが脾臓腫大と胸腺腫瘍の発症を確認した。これらの動物諸臓器は剖検後に病理組織診断と遺伝子発現解析に向けて保存している。加齢による臓器特異的なホスト遺伝子の転写活性(およびmU50発現)への影響を検証する目的では、週齢の異なる野生型/遺伝子欠損マウスにおけるNorthern解析を遂行した。その結果では、野生型においてリンパ系臓器でのmU50発現は60-70週齢においても維持されており、遺伝子欠損モデルでのmU50発現抑制も維持されていることを確かめた。現在、低分子RNA検出のためのリアルタイムPCR法とFISHによるmU50局在の同定、およびにヒトリンパ腫細胞株でのChIP法とレポーターアッセイによるU50HGの転写調節(c-MYCによる転写促進、BCL6による転写抑制)について最適な実験条件を設定している。
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