2009 Fiscal Year Annual Research Report
ノンコーディング遺伝子U50HGおよびU50snoRNAによるリンパ系機能制御
Project/Area Number |
20791374
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
添野 雄一 The Nippon Dental University, 生命歯学部, 講師 (70350139)
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Keywords | 歯学 / 病理学 / ノンコーディングRNA / ホスト遺伝子 / snoRNA / rRNA / リンパ腫 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
低分子核小体RNA(snoRNA)はリボソーム翻訳装置の成熟に働くノンコーディングRNAである。本研究では、ヒト悪性リンパ腫のt(3;6)(q27;q15)染色体転座点6q15より同定された低分子核小体RNA (U50 snoRNA)およびホスト遺伝子U50HGについて、リンパ腫クローンおよび研究代表者らが作出したマウスオルソログmU50の欠損マウスモデルを用いて、リンパ細胞でのU50発現様式(U50HG転写)、実際のリンパ装置(胸腺・脾臓・リンパ節)におけるU50機能ユニットの組成および局在・動態、分子欠損によるリンパ系システムの異常と病態の解明を目指す。本年度では、初年度までにバッククロス(10世代)を完了したmU50欠損マウスおよびその臓器由来細胞の表現型解析を行った。欠損マウスの各臓器におけるmU50発現減少はノザンブロットで確認し、リアルタイムPCR解析では野生型の32分の1(約3%)まで減少していることも確かめた。mU50低発現状態は加齢個体(90週齢)でも同レベルに維持されていた。90週齢までの長期観察では、数例の脾臓腫大と胸腺腫瘍の発症を確認した。剖検時に何らかの異状を確認した個体はmU50欠損マウスで多く、野生型との有意差を認めた。末梢血性状・血球の加齢変化は両遺伝型間で同様のパターンを示した。mU50欠損によるリボースメチル化の変化を捉える目的では、各種臓器由来よりRNA抽出し、mU50snoRNA相補配列を持つリボソームRNA領域(C2613およびG2628)についてプライマーエクステンション法によりメチル化リボースを検出した。その結果、mU50欠損マウスでは観察した全ての臓器においてメチル化シグナルの減少が認められた。
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