2010 Fiscal Year Annual Research Report
下顎犬歯・小臼歯部における舌側孔の診断指針の作成 ?偶発症のリスク低減に向けて?
Project/Area Number |
20791376
|
Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
河合 泰輔 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (30350143)
|
Keywords | 歯学 / 解剖学 / 放射線 / 画像診断 / インプラント |
Research Abstract |
21年度に引き続き 1.解剖学献体の解剖 歯科用コーンビームCT画像を観察後、舌側孔が検出された検体について、その周囲の脈管の交通を確認しながら解剖を行い、脈管の同定、および下顎骨内での走行、吻合などを確認した。確認可能であった(適切に剖出できた)献体においては、全ての例で顔面動脈から分岐するオトガイ下動脈が走行している事が明らかになった。そして顎骨の内部において、舌側孔を走行したオトガイ下動脈は下歯槽動脈の切歯枝と吻合していることが確認された。 2.臨床との関連性の検討 複数の国内外の学術集会へ参加をして、様々な歯科放射線学およびインプラント診療を実際に行う専門家と意見交換を多数行った。特にインプラント手術術前の画像診断およびインプラント治療計画立案において、今回の検討結果をどのようにフィードバックするべきか検討した。今回の結果において、犬歯・小臼歯部の舌側孔の発現頻度は比較的高く、確認できた試料の全例において内部にオトガイ下動脈から連続、分枝する動脈が入っている事が明らかになったことから、歯科用コーンビームCTを用いた画像において、顎骨の頬舌的な形態把握と舌側孔の有無、サイズは、犬歯・小臼歯部へのインプラント治療を考える際に必須の項目であると考えられた。 また、インプラント術前診断時にこのような詳細な構造物を様々な角度から描出できる歯科用コーンビームCT画像の使用、および三次元画像の十分な観察能力もインプラント治療を行なう臨床家に必須なものであると考えられた。
|
Research Products
(1 results)