2008 Fiscal Year Annual Research Report
根面象牙質保持性を有する再石灰化促進材の開発に関する研究
Project/Area Number |
20791379
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
奥山 克史 Hokkaido University, 大学院・歯学研究科, 助教 (00322818)
|
Keywords | 根面象牙質 / 再石灰化 / 根面保持 / pHサイクル / フッ素溶出 |
Research Abstract |
20年度では、再石灰化を促進する物質、成分の主なものであるフッ素イオンについて検討した。歯面に作用させたときにどれだけのフッ素量が浸透するのか、という視点から、材料より溶出するフッ素イオン量を測定し、目的に適した材料を見つけ出す指標とすることに主眼を置いた。 使用した材料はフッ素含有のコンポジットレジン、フッ素含有のフロアブルレジン、フッ素含有ボンディング材、フッ素含有ワンステップタイプ接着システムの4種である。試料を脱イオン水または乳酸溶液中に浸漬し、1週ごとのフッ素溶出量を測定し、それを5週間行った。 その結果、フッ素イオン溶出の経時的変化は、実験初期の段階で多くの溶出を認めたが徐々に低下し、開始2〜3週には溶出量がほぼ一定となった。5週までの累積のフッ素イオン溶出量については、脱イオン水中のフッ素イオン溶出はワンステップタイプが一番多く、次いでボンディング材、コンポジットレジン、フロアブルレジンの順となった。乳酸溶液中では、フロアブルレジンが一番多く、コンポジットレジン、ワンステップ接着システム、ボンディング材の順となった。また、同じ材料における浸漬溶液によるフッ素イオン溶出の相違については、コンポジットレジンとフロアブルレジンの群で、乳酸溶液の溶出フッ素が脱イオン水に比較して高い値を示したのに対し、ボンディング材とワンステップ接着システムは溶液間に差を認めなかった。 これらの結果から、再石灰化促進材に必要とされる性質であるフッ素徐放性について、フッ素溶出量の多い材料(素材)として、通常の場合ではボンディング材のようなものが適当と考えられ、う蝕感受性の高い患者に対しては、コンポジットレジンのようなものが適当であると示唆された。
|
Research Products
(1 results)