2009 Fiscal Year Annual Research Report
根面象牙質保持性を有する再石灰化促進材の開発に関する研究
Project/Area Number |
20791379
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
奥山 克史 Hokkaido University, 大学院・歯学研究科, 助教 (00322818)
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Keywords | 根面象牙質 / 再石灰化 / 根面保持 / pHサイクル / フッ素溶出 |
Research Abstract |
20年度において材料から溶出するフッ素の溶出様式について、検討を重ねた。そこで、21年度では、材料から溶出するフッ素がどのように歯質へ浸透し、影響を与えているのかという観点から研究を進めた。最近、当研究の目的に沿った、再石灰化を促進することが考えられる歯根面へのコーティング材が歯科材料メーカーより試作されたことから、この材料も含めて検討を行った。 歯根面を想定し、象牙質を露出させた試料を作製した。試料の一部分を酢酸緩衝液にて脱灰させ、人工的にう蝕部分を作製した。そのう蝕部分に試作品の再石灰化促進コーティング材、フッ素徐放性を有するボンディング材、フッ素を含まないボンディング材を作用させ、一定期間ほぼ中性の溶液(再石灰化溶液)に浸漬、保存した。その結果、フッ素を含むコーティング材およびボンディング材を使用した群では、フッ素を含まない材料を使用した群と比較して,歯質の脱灰量が有意に少ないことが示された。しかし、脱灰進度(脱灰がどのくらいの深さまで進行しているか)については差を認めなかった。このことより、フッ素含有材料はフッ素を含まない材料と比較してう蝕進行抑制に効果が期待できることが示された。 う蝕進行抑制と材料からのフッ素との関係を調べるため、上記コーティング材とボンディング材のフッ素溶出量を測定した。その結果、コーティング材からの溶出がボンディング材からのものと比較して大きい値を示した。このことから、う蝕進行抑制にはフッ素の溶出量が関係することが明らかとなった。 今後は材料を保存する条件を変え、フッ素が外部から供給される状況でのう蝕進行抑制や、再石灰化の変化を観察、検討していくとともに、コーティング材の適正な使用条件を確立していくつもりである。
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Research Products
(3 results)