2008 Fiscal Year Annual Research Report
電子線トモグラフィーを用いた非脱灰硬組織における超微細構造解析手法の開発
Project/Area Number |
20791384
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三浦 治郎 Osaka University, 歯学部・附属病院, 助教 (70437383)
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Keywords | 硬組織 / トモグラフィー / コラーゲン / 非脱灰観察 |
Research Abstract |
今年度は、非脱灰硬組織の電子線トモグラフィー撮影用試料の作成技法を中心に研究を行った。 平成20年4月〜12月(試料の加工手法および加工デザインの決定) 電子線トモグラフィー撮影のための試料加工 : 試料加工に当たって必要なFocus Ion Beam法によるトモグラフィーに対する薄切試料の最適形状を、Data Missing Areaが極力少なく、試料の強度を損なわない条件を確立した。 硬組織非脱灰試料において最も困難とされる薄膜切片試料作成は、集束イオンビーム(FIB : FB2000, HITACHI)を用いて、厚さ500nm〜1μmのエナメル質・象牙質の超薄膜切片を作成する。この期間に、イオンスパッタリング効率を考えた切削時間や切削量の基礎データの採取を行い、組織損傷およびアーディファクトの少ない再現性の高い形成条件を決定した。 平成21年1月〜3月(試料の固定および染色方法の確立・FIB加工開始) 重金属によるコラーゲンの電子染色を行うため骨組織内部に効率的に染色液(酢酸ウラニル・クエン酸鉛)を浸透させるためのデータ採取を行った。本研究では、コントラストの得にくい非脱灰状態での硬組織内のコラーゲン繊維や蛋白質のコントラストが得る必要がある。そのため試料固定に2%四酸化オスミウムを用いた電子染色を行ないコントラストが得られることが確認できた。今回の再現性試験により、水溶性ポリフェノールであるカテキンを電子染色の際に用いることによりコラーゲン繊維の染色状態が非常に良好になるということが確認できた。 この結果を用いて平成21年度の測定から3次元観察を行っていく予定である。
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Research Products
(5 results)