2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791390
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
安田 善之 Health Sciences University of Hokkaido, 歯学部, 准教授 (80405670)
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Keywords | 象牙質再生 / 歯髄細胞 / アディポネクチン |
Research Abstract |
ラット歯髄細胞とMDPC-23におけるアディポネクチン受容体(AR)1, 2およびアディポネクチンの遺伝子発現をRT-PCRにて調べた結果、いずれの発現も認められた。さらに、AR1のタンパク質発現をウエスタンブロット法により解析したところ、ポジティブコントロールであるマウス心臓抽出液サンプルと同様に約40kDaの分子量を持つバンドが検出された。AR1の存在が確認できたため、そのリガンドであるアディポネクチンの細胞に与える影響について検討を行った。10μg/mlアディポネクチン添加群では24時間後の細胞数は未処理のcontrol群に比べて有意に増加した。さらに4日後においてMDPC-23のALP活性をcontrol群に比べて有意に亢進し、さらに処理2および4日後のOCNとOPNの発現を増強した。MDPC-23による石灰化結節の形成をアリザリンレッド染色後に光学顕微鏡下にて観察したところ、明らかな石灰化結節の増大がみられた。さらに、アディポネクチンの歯髄細胞におけるDentin sialophosphoprotein(DSPP)発現への影響を検討したところ、8日後ではDSPPの発現はコントロールに比べて著しく増加した。次に、ヒトアディポネクチン全長遺伝子は、ヒト脂肪細胞cDMAライブラリーよりPCR法により増幅し、動物細胞発現用ベクターにサブクローニングを行った。今回の結果から、アディポネクチンは歯髄細胞および象牙芽細胞前駆細胞の分化・石灰化を促進することがはじめて明らかとなった。また、アディポネクチンは、歯髄細胞のDSPP発現を誘導することでその石灰化能を亢進する作用を持つことが分かり、積極的な硬組織形成を誘導する材料として硬組織再生医療に応用できる可能性が示唆された。今後、ラットへのアディポネクチン遺伝子発現誘導により修復象牙質形成への影響を詳細に検討する。
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Research Products
(7 results)