2009 Fiscal Year Annual Research Report
デジタル信号処理を応用した顎筋機能評価に関する筋電図学的検討
Project/Area Number |
20791413
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塙 総司 Tohoku University, 病院, 助教 (90431585)
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Keywords | デジタル信号処理 / 針筋電図 / 表面筋電図 / 顎筋 / フィルタ |
Research Abstract |
顎口腔機能を評価法の一つに筋電図法がある。筋電図計測時に筋内部から個々の運動単位を鑑別可能な針電極は筋活動を高精度に評価することが可能である。しかし、臨床的に電極刺入時の痛みの問題や、被験者への精神的な苦痛がある。これらのことを考慮すると、個々の運動単位活動電位(Motor Unit Action Potential : MUAP)の観察は不可能ではあるが、被侵襲的に被験筋活動を定量的かつ簡便に把握しうる表面電極を用いる方法が好ましい。そこで本研究では、顎口腔機能に関与する咬筋に焦点を当て、表面電極と針電極から筋活動を同時記録し、それらを信号処理することにより比較・検討をした。これらのことから表面筋電図がどの程度顎口腔機能を評価することが可能であるのかを検討した。 まず、モニター上に表示された波形を用いてフィードバックを行いながら、被験者にクレンチング運動を指示し、弱収縮波形を映し出した。右側咬筋に貼付した表面電極(カスタムメイドの12極のアレイ電極)と針電極を用いて筋活動を同時記録し、針電極波形のピークをトリガーに設定し、表面電極波形を加算平均処理した。刺入深度12mm、15mm、18mmの針電極から分離したMUAPの表面電極波形における様相が観察された。観察された点は以下の通りである。 ・針電極波形に同期した波形が多チャンネルの表面電極波形に認められた ・表面電極波形のピークは針電極波形のピークよりも1~2,5ms遅延し、筋腹中央よりも頬骨弓方向の遅延が顕著であった ・針筋電波形の振幅はおおよそ1.5~2.5mV、表面電極波形の振幅はおおよそ10~80μVであり、刺入深度が深いほど減衰率が大きい傾向が認められた
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