2009 Fiscal Year Annual Research Report
免疫機構を賦活する口腔上皮―PMMA系義歯界面デザインと簡便・高効率構築法を探る
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20791415
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小牧 健一朗 Tohoku University, 病院, 助教 (40361109)
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Keywords | PMMA / バイオマテリアル / インターフェイス |
Research Abstract |
本研究では高齢者の心身賦活を促す歯科補綴治療法を確立することを根幹の目的とし、ヒト生来備わっている口腔内免疫機構(抗菌ペプチド等の生体分子利用)に基づく、補綴物(歯科材料)の抗菌効果と高齢者の免疫機構賦活効果を期待し、歯科材料への抗菌ペプチドの機能的結合方法(リンカー部)の構築を取り組んできた。リンカー部はファージによって提示されるペプチドライブラリーよりセレクションを試みた。 今年度は、前年度の結果より得られたPMMA粉末に対しリンカー部候補のペプチド配列がリンカー部となりPMMA表面に生体分子を付与できるか実験を行った。 リンカーペプチド配列のC末にビオチン融合したペプチドを合成し、PMMA粉末とインキュベート後、ビオチン-ストレプトアビジン結合を利用したELISA法により評価をおこなった。その結果、表面への吸着は、ビオチン単独ペプチドと比較したところ、融合ペプチドはPMMAへの吸着が2.5倍の数値データが得られた。 今回の結果より、同定されたペプチドはPMMA表面に生体分子を構築するリンカー部としての利用が期待でき、さらに、臨床において、重合後のPMMA表面に対しても応用が可能と考えられる。今後、リンカー部と生体分子を融合させたペプチド(タンパク)を合成し、そのPMMA表面での機能評価をおこなうことで、いままでPMMAが持ちえなかった生体活性能を高効率かっ簡便に付与できると期待される。
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