2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791418
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
駒田 亘 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (10447493)
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Keywords | 支台築造 / 歯根破折 / グラスファイバーポスト / 破壊強度 |
Research Abstract |
グラスファイバーポストを用いたレジン支台築造体の弾性率は天然歯に似ている為、応力の集中を減少させ歯根破折の防止が期待されるようになってきた。しかし、臨床治療においては根管処置後の歯牙の状態(特に残存歯槽骨の量、残存歯質の量、歯質の厚さ等)は様々である。その際の支台築造法として鋳造支台築造法、レジン支台築造法が考えられるが明確な選択基準は明らかになっていない。本研究ではレジン支台築造時に用いるポストの弾性率に着目し、市販されているグラスファイバーポストの弾性率(約30GPa)より低くした(5GPa以下)UDMA、TEGDMAを主成分とした径1.0mmの試作ポストを作製し、それを用いたレジン支台築造の強度について比較検討を行った。 24本の抜去されたヒト下顎小臼歯をセメントエナメル境で水平に切断し、根管充填を行った後、径1.5mm、深さ8mmの根管形成を行った。径1.0mmのグラスファイバーポストを併用したレジン支台築造(PE1.0)、径1.5mmのグラスファイバーポストを併用したレジン支台築造(PE1.5)、径1.0mmの試作ポストを併用したレジン支台築造(EX)としそれぞれ8試料作製した。さらに8本の抜去されたヒト下顎小臼歯を支台歯形成のみ行ったものを(NT)とし、それぞれを専用ジグに包埋した後、歯軸に対し45度より万能試験機を用い、クロスヘッドスピード1mm/minにて負荷荷重試験を行った。NTは他の群に対し有意に高い破壊強度を示した。しかし、他の群には破壊強度の有意差は認められず、弾性率を象牙質よりも低くした試作ポストを用いた場合、ほとんどの試料で縦破折は起こさなかった。この結果より象牙質よりも弾性率が低いポストのレジン支台築造における臨床応用の可能性が示唆された。
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