Research Abstract |
平成21年度においては,被験者の追加サンプリングを行った.研究実施計画[研究1]に従い,データ採得を行った.咀嚼能力の評価は,試験試料としてピーナツを用いる粉砕能力試験,ワックスキューブを用いる混合能力試験によって行った. 健常有歯顎者において,咀嚼粉砕能力あるいは咀嚼混合能力と咀嚼運動様式には関連があることが報告されている.また,研究代表者らが行ったこれまでの研究から,咀嚼混合能力は,咀嚼運動様式に加えて,最大咬合力,咬合接触面積と関連があることが明らかになっている.一方,咀嚼運動様式は,側方ガイダンスの影響を受けることが示されている.すなわち,咀嚼運動様式は,咀嚼能力と側方ガイダンスのどちらとも関連があることから,咀嚼運動様式を介して咀嚼能力と側方ガイダンスとの間に見かけ上の関連が生じる可能性がある. これらをふまえて,咀嚼能力と側方ガイダンスとの関連についてより詳細に検討するために,実施計画を更新し,ナソヘキサグラフ((株)小野測器)を用いて,側方ガイダンスと,試験試料を咀嚼している時の下顎運動を計測した.下顎運動の分析パラメータは,咀嚼サイクルごとの垂直/側方/前後範囲[mm],開口/閉口経路角度[°],開口相/閉口相/咬合相時間[s],咀嚼周期[sl,開口時/閉口時最大速度[mm/s]とした.また,最大咬合力をデンタルプレスケール((株)ジーシー)で計測した.加えて,咬合接触面積とその分布を,バイトチェッカー((株)ジーシー)で計測した. 平成22年度においては,被験者を若干名追加し,咀嚼能力と側方ガイダンスとの関連について多変量解析の結果から検討する予定である.
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