2008 Fiscal Year Annual Research Report
抗炎症・骨再生作用を兼ね備えた軟膏によるインプラント周囲炎の新治療法
Project/Area Number |
20791430
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森山 泰子 Kyushu University, 大学院・歯学研究院, 学術研究員 (50452769)
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Keywords | スタチン / インプラント周囲炎 / 骨再生 / 抗炎症 |
Research Abstract |
高脂血症治療薬スタチンの骨形成促進作用の報告(Mundy, et.al. 1999)を受け、これまでにわれわれはラット脛骨へのインプラント埋入モデルにおいてスタチンをキャリアと共に局所投与することにより、ある濃度においてインプラント周囲の新生骨量の有意な増加、その新生骨の石灰化促進、また、インプラントの初期の固定に関与していることを示唆するデータを得ている。加えて、スタチンの経皮投与により、経口投与した場合よりも骨量が増加したことが報告されている(Gutierrez, et.al. 2006)ことから、本研究では、高脂血症治療薬であるスタチンの骨形成促進効果に加えて、近年報告されているスタチンの多面的効果にある抗炎症作用を期待し、インプラント周囲炎による歯肉の炎症、歯槽骨の骨吸収を簡便に抑制し、かつ骨形成を促進できる、そして患者自身が簡単に使用できる軟膏を作製することを目的としている。 現在までに、ラット口腔内に埋入するインプラントを設計し、作製した。ラット上顎臼歯部第一、第二大臼歯を抜歯し、インプラントが抜歯直後に口腔内固定が可能であることも確認した(数種類設計し試作品を作製、ラット口腔内に埋入し、固定程度のもっともよいものを選択した)。作製したインプラントを用いて、インプラント周囲炎モデルを作製し、健常ラットの歯肉、歯槽骨の状態との有意な差があることも確認した。今後は当初の予定通り、いくつかの軟膏の基剤を用い、スタチンの配合濃度等を組み合わせ研究を続け、in vivoの実験を行ない生体における効果を明らかにすることで、インプラント周囲炎に罹患しても、それを撤去なしに、加えて患者サイドでの日常での口腔ケアによりリカバーできる新治療法の確立が期待できる。
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Research Products
(3 results)