2009 Fiscal Year Annual Research Report
抗炎症・骨再生作用を兼ね備えた軟膏によるインプラント周囲炎の新治療法
Project/Area Number |
20791430
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森山 泰子 Kyushu University, 大学院・歯学研究院, 学術研究員 (50452769)
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Keywords | インプラント周囲炎 / スタチン / 骨再生 / 抗炎症 |
Research Abstract |
高脂血症治療薬スタチンの骨作用促進の報告を受け、我々はラット脛骨に埋入したインプラント周囲の骨形成促進作用を明らかにした。このスタチンの骨形成作用に加え、抗炎症作用も報告されていること、また、スタチンの経皮投与によりラットの骨量が増加する報告(Gutierrez et al. 2006)もあることから、両方の効果を持つ、インプラント周囲炎を改善する軟膏を作製することが本研究の目的であった。 前年度において、ラット口腔内インプラントモデルは確立した。周囲炎モデルは、埋入後の期間が長いのか、炎症所見の判定が難しく標本における歯肉の状態によってでしか、健常インプラントモデルとの差を確証できることはできなかった。今後、より確実に炎症所見の認められるモデルの確立や方法が必要になると考える。これに伴いラット口腔内インプラント埋入モデルにおいて、周囲炎モデルがインプラントスクリュー部分までの露出を認められなかったため、想定していた「感染源の除去」が的確にできるかの確証はなく、(バキュウム操作の困難さ等の問題もあり)臨床で行われている方法より簡便な洗浄を行うことしかできなかつた。 次に、軟膏の徐放試験及び動物生体実験について。軟膏はまず、高濃度のスタチンを各基剤に配合し、各基剤の特性を検討することとした。実験計画書にあるような溶出器Franz cellの使用が困難であったため、徐放したスタチンの量を吸光度にて計測した。その結果、白色ワセリン、プラスチベース、親水軟膏の順に溶出速度の上昇が認められた。よって、軟膏の基剤としては白色ワセリンが一番適当であると考えられた。 動物実験では、軟膏の作用時間が長いことが理想的であるのに対して、軟膏の口腔内での安定状態はあまり良くないので、効果が期待できないことが考えられることから、軟膏塗布後に膜等をかぶせるように計画を変更し、検討している。
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Research Products
(3 results)